sweet voice
「ねえ、茜はニューヨーク行こうって言われたら、行く?」


「行くに決まってるよ」


「えー、そうなの?」


「だって、そんなチャンスめったにないよ。


アフリカだったら行かないけど、ニューヨークなんて言葉の通じない東京みたいなもんだし。


合わなかったら戻ればいいじゃん」


「なるほど」


「花音が決めたことだから、何も言うつもりなかったけど。


花音はニューヨークだから断ったんじゃなくて、伸二くんと結婚したくなかったんだと思うよ。


お互い気をつかう関係なんて、続くわけないし。


逆に、荒井さんからニューヨークについてこい、って言われたら、花音は行ったと思うな」


「そんな簡単じゃないよ」


「荒井さんには、気をつかわないで話せるんでしょ?


それに、好きな食べ物も似てる。


結婚は生活そのものだからね、食事の好みは大事だよ」


< 140 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop