sweet voice
「初めて荒井さんと電話で話した時、声に惹かれたんです。


一目惚れじゃなくて、一耳惚れ?しちゃったんです。


それからは、電話を受けるのが楽しみで、いちいちドキドキしてました。


懇談会で会った時も、カッコよかったので理想の人だと思いました」


「へえ」


あまりにも冷たい反応に、心が折れそうになった。


「それだけ、です」


「で、今のおまえの気持ちはどうなの?」


「そんなの、ズルいです。


自分の気持ちを言う前に、私の気持ちを確かめるなんて」


「俺は、おまえが好きだって言い続けてるだろ」


「・・・なんか、口調がイヤです」


「ワガママだな、おまえ」


「だって、大事なとこじゃないですか」


< 150 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop