sweet voice
「俺は3月末に大阪行くけど、花音は好きにしていいからな」


「好きにしていいって、どういう意味?」


「大阪についてきても、東京に残ってもいいってこと。


仕事や生活のことを、今すぐ決められないだろ。


俺は花音がどこにいても、変わらないから」


また、私に一任しちゃうんだ。


私の意思を尊重してくれてるんだろうけど、少しさみしかった。


「あと、来週から年末まで、大阪出張だから。


イベントある時期なのに、悪いな」


「クリスマスも、だよね?」


「そうだな」


特別な存在になれたのに、お互いの気持ちを確かめあったのに、クリスマスは離ればなれなんて。


「・・・わかった」


ものわかりのいい彼女でいたくて、素直に返事をした。


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