sweet voice
「うん・・・いいよ」


「良かった、一歩前進」


断れなかったのは、元カレで男友達とはいえ、寝てしまったからだ。


お互いの好みを知り尽くしているからか、酔っておぼろげな記憶だけど、気持ち良かったのは確かだ。


これから私は、どうしたらいいんだろう。


ふと顔をあげたら、目の前で手を振りながら歩いていく茜がいた。


目を真ん丸にして、ものすごく驚いてる。


「あれ、もしかして、茜さん?」


「うん、茜にバレちゃったかも」


「僕は全然かまわないけどね。


むしろバレまくって、荒井さんまで広まってほしいくらいだし」


「それはちょっと・・・」


「花音はきっと、僕を選んでくれるって信じてるから。


ニューヨークに行くのは、4月になってからでもいいし」


そろそろ行こっか、と伸二くんが伝票を持って立ち上がった。


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