sweet voice
「わかった」


「決心したなら、伸二くんになるべく早く言いなよ」


「はい」


「なんか、端から見たら、私が花音にお説教してるみたいじゃん」


「悪いのは私だから」


「合意の上で、ってやつでしょ。


なら、流されてしまった二人とも悪い」


「まさかって感じで、自分が信じられないよ」


「ぶっちゃけ、どっちと体の相性がいいわけ？」


「どっちも」


「なによそれ、二人とも上手なんだ」


「タイプは違うけど」


「はいはい」


電話で伝えるのも悪いから、例のクリスマスパーティーで直接伸二くんに断ろうと思った。


たまたま、荒井さんからの連絡もなくて、少しホッとしていた。


伸二くんは私にはもったいないエリートで、一緒に行けばニューヨークでの生活も意外と楽しめるのかもしれないけど。


私にとって伸二くんは、かわいい弟とか後輩にしか思えないんだ。


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