sweet voice
クリスマスイブの夜、伸二くんが連絡してくれた会場に着いたのは19:30頃で、みんな盛り上がっていて熱気がすごかった。


「花音!」


伸二くんが私に向かって手を振っていた。


「遅くなってごめんね」


「平気だよ、ビールでいい?」


「うん、ありがと」


伸二くんの友達を何人か紹介されたけど、みんなフリーなのが信じられない肩書と見た目で、よっぽど理想が高いんだと思った。


ビンゴが始まり、私は旅行券が当たった。


「やったね花音、僕とどこか旅行しちゃう?」


伸二くんは、雰囲気のせいかいつもよりテンション高めだった。


早く言わなきゃ。


「あのね伸二くん、この前のことなんだけど」


「抜けよっか」


「えっ?」


伸二くんが私の手をひいて連れてきてくれたのは、会場2階の個室だった。


吹き抜けになっている会場を見渡すように、個室がいくつか並んでいた。


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