sweet voice
合コンから数日後の土曜日。


私は、10時少し前に有楽町の改札に向かって歩いていた。


内川さんは、ブルー系のチェックのボタンダウンシャツにチノパン、肩にトートバッグをかけて立っていた。


イメージを裏切らない私服だなぁ。


すごいオシャレではなく、でも隣を歩きたくないようなダサい服装ではない。


私は、ノースリーブのブラウスにスカンツっていう無難な服装。


ものすごく気合いを入れているわけではなく、でもきちんとしててそれなりにいいモノを着てきた。


「すみません、お待たせしました」


「いえ、僕もさっき着いたとこですから」


行きましょうか、とうながされて映画館に向かった。


何を観るのかと思ったら大人向けのラブコメディで、無難な選択だと思った。


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