sweet voice
実家でダラダラした寝正月が終わり、新しい年の仕事が始まったけど、毎日は淡々と過ぎていき、私は黙々と仕事をこなした。


伸二くんはたまに連絡をくれて、ニューヨークへ旅立つ日も教えてくれたけど、


『ごめんね』


とメッセージを送ることしかしなかった。


そして、荒井さんに連絡を取るのをあきらめた私は、一人ぼっちになった。


茜はかまってくれたけど、


「自業自得だよ」


とか言って、なぐさめてるのか突き放してるのか、よくわからなかった。



そして2月初め、世の中がバレンタインで盛り上がっている頃。


私がトイレからデスクに戻ろうと歩いていたら、


「失礼します」


と、背後から声が聞こえた。


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