sweet voice
気づいた時には、パソコンを閉じ、部長の前まで歩いていた。
「部長、体調不良なので帰ります」
「大丈夫か、っておい、藤原?」
部長の声を背中で受けながら、私はバッグとコートをつかんだまま、品川駅まで猛ダッシュした。
運よく、信号も青だった。
入場券を買い、新幹線改札口から入り、電光掲示板を確認した。
間に合った、と安心したとたん、荒井さんが何号車に乗るのかがわからないことに気づいた。
右にも左にも、階段がある。
どうしよう。
早くしないと、発車して会えなくなってしまう。
左に賭けよう。
階段をかけあがると、金曜日だからかホームにはたくさんの人がいた。
荒井さん、どこにいるの?
キョロキョロしていたら、隣の車両近くに背の高い後ろ姿を見つけた。
「部長、体調不良なので帰ります」
「大丈夫か、っておい、藤原?」
部長の声を背中で受けながら、私はバッグとコートをつかんだまま、品川駅まで猛ダッシュした。
運よく、信号も青だった。
入場券を買い、新幹線改札口から入り、電光掲示板を確認した。
間に合った、と安心したとたん、荒井さんが何号車に乗るのかがわからないことに気づいた。
右にも左にも、階段がある。
どうしよう。
早くしないと、発車して会えなくなってしまう。
左に賭けよう。
階段をかけあがると、金曜日だからかホームにはたくさんの人がいた。
荒井さん、どこにいるの?
キョロキョロしていたら、隣の車両近くに背の高い後ろ姿を見つけた。