sweet voice
「あっ、いえいえ、そうではなくて・・・」


「自分でもわかってるんです。


僕は、肩書だけは立派なので、女性と出会う確率は高いんですけど、会うと拒否されてしまうんですよね」


なぐさめてほしくて、自虐してんのかな。


「肩書に頼らないようにすればいいんじゃないですか?」


「えっ?」


「一昔前のバブル期じゃないし、コネで入社したわけじゃないでしょ?


大学だって、国立なんだから推薦合格じゃないんだし、努力したんですよね?


だったら、女性との出会いも紹介とかに頼るんじゃなくて、偶然の出会いを見逃さないようにしたらいいと思いますけど」


・・・あーあ、やっちゃった。


また、私のお節介が出てきちゃったよ。


自分でもわかってるんだけど、とめられない。


「そうですよね・・・ありがとうございます」


「すみません、言い過ぎました。


お返事ですが、友達からでどうですか?」


「いいんですか?」


「はい、だから、ここからはお互い敬語なしで」


こうして、内川さんこと伸二くんと、たまに二人で会う関係になったんだ。




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