sweet voice
拓海は、私に改札を出たところで待つように言うと、どこかへ急いで向かい、また走って戻ってきた。


「ギリギリ間に合った。


30分くらい時間あるから、ビールでも買いに行くか」


「えっ、だって、新幹線に乗るんじゃ?」


「花音と一緒に乗るんだよ」


「へっ?」


「気持ちを確かめあって、とことん話して不安とかなくしてからじゃねーと、遠距離恋愛には突入できないんじゃね?」


確かに、本音を言えば、まだ離れたくない。


「でも、私、着替えも何も持ってないし・・・」


「じゃ、いま買ってこいよ」


「う、うん、わかった」


慌てて洋服やアメニティを買ってきて、ついでに現金もおろしてきて、拓海のもとへ戻った。


「新幹線代、いくらだった?」


「いいよ、俺が誘ったんだし」


「そんなのダメだよ、払うよ」


「じゃあ、帰りは花音が払えよ」


「そうさせてもらう」


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