sweet voice
新幹線の中で、たくさんたくさん話した。


ビールを飲みながら。


手をつなぎながら。


私が拓海を傷つけてしまったことを、何度も謝った。


「俺がふがいなかったんだ、もういいって」


頭をポンポンたたかれて、笑ってくれた。


「ひとつだけ、気になってるんだけど・・・」


「なんだよ」


「私ね、去年の年末に拓海が出張から戻ってきた時、品川駅で美人と歩いてたのを見たんだ。


めっちゃヘコんで、そのまま帰った」


「あー、あいつは妹だよ」


「そんな、ありきたりな言い訳・・・」


「じゃあ、これ見れば?」


拓海が見せてくれたのは、あの美人が笑っているインスタで、『荒井美音(みおん)』って名前だった。


「花音も、小さい頃に美音と会ってるはずだけどな」


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