sweet voice
「そ、そうだったんだ」


胸の奥の、つかえていたものがスーッと消えていった。


「いくら俺がモテるからって、そこまで軽くねーよ」


安心したら涙があふれそうになって、必死にこらえた。


「花音は、いつ頃大阪へ来れそう?」


「えっと、4月いっぱいは新しくできる名古屋支店の応援に行くから、それが終わってから考える」


「そっか、でも名古屋なら近いな」


新大阪駅に着いて、乗りかえてマンションへ向かった。


パチンと電気がつくと、まだ少し段ボールが残っていたけど、ほぼ片づいていた。


「広いね」


「花音と住むつもりで選んだからな」


「どうして、そこまで考えてくれたの?」


「どうしてって、花音が好きだからだろ」


相変わらず、ストレートな言葉にドキドキした。


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