sweet voice
あまりにも緊張しすぎて、何を話したのか曖昧だけど。


拓海が私をお父さんとお母さんに紹介してくれて、


「キレイになったな、花音ちゃん」


「拓海が結婚したい人を連れてくるって言うから誰かしら?って思ってたけど、花音ちゃんなら大歓迎よ」


いろいろ言われ、とりあえず嫌われてはいなさそうで、安心した。


実家を出たら、もうあとは新大阪駅へ向かうだけ。


離れるのが、こんなにツラいとは思わなかった。


さすがにもう話すことがなくなって、話題が途切れた時。


拓海は突然、車を停めた。


「花音」


「・・・はい」


「お互いを信じて、距離を乗り越えよう」


「うん」


「今度他の男と寝たら、許さねーぞ」


「はい」


「約束な」


優しくて、あったかいキスがふってきた。


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