sweet voice
「どんなに遅くても、今年中には大阪へ行くから」


さみしそうな横顔に話しかけたら、パッと私の方へ向き直り、


「待ってるからな」


笑ってくれた。


あー、私は、この笑顔をずっと見ていたいな、と素直に思った。


ゴールデンウィーク中は大阪観光もしたけれど、ただ二人でずっと一緒に過ごすことが、楽しかった。


夜眠るときも、朝起きても、隣には拓海がいる。


それだけで、こんなに心が穏やかになるなんて。


こういうのを「幸せ」っていうんだろうな。


拓海の無防備な寝顔を見ながら、そう思った。


私は、この愛しい寝顔を、ずっと見ていたい。


お互い年齢を重ねても、その変化を一緒に楽しみたい。


こういう想いは、結婚に結びつくんだろうな。


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