sweet voice
「部長、そのリアクションはどういう意味ですか?」


『え、いや、その・・・藤原はまだ結婚しないと思ってたから』


「詳しくはまた、東京へ戻ってからお話しします」



私の名古屋生活は5月末で終わり、東京へ戻った。


慣れ親しんだ東京での生活は快適だったけど、大阪へは遠くなってしまったから、拓海との距離を感じた。


早く、大阪へ行きたい。


それだけのために、仕事を頑張った。


夏休みには、拓海が東京へ来てくれて、私の両親に結婚の挨拶をした。


両親は昔話ばかりして、拓海との再会を楽しんでいた。


そして、私の年内での退職が決まり、有休消化で11月末には会社を辞めることになった。


「なんか、花音のいない生活なんて、想像できないんだけど」


「私も、茜がいないなんて、さみしすぎる」


「でもいいじゃん、御曹司と結婚できるんだし」


「あのねー、御曹司だから結婚するわけじゃないんだからね」


「はいはい、わかったわかった。


そういえば、伸二くんはどうしてるかな」


< 217 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop