sweet voice
「何の連絡もないけど、忙しくしてるんじゃない?」


「教えてあげよっか」


「えっ?」


「ニューヨークでバリバリ働いてて、部の成績トップになったこともあるらしいよ」


「へえ、すごいね」


「もしかして、ちょっと後悔してる?」


「そんなわけないじゃん!」


送別会では、私の結婚も発表され、相手が取引先の人だと言ったら、


「ほんとに、そんな出会いってあるんだな」


「私も頑張ろっかな」


みんなにうらやましがられた。


着々と準備は進み、荷物は先に大阪へ送り、部屋を引き払って実家へ戻った。


いよいよ明日、大阪へ旅立つ日。


両親と兄一家と一緒に夕食を囲み、なごやかなまま東京での最後の夜は終わった。


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