sweet voice
ようやく終わって会場の中をのぞくと、もう乾杯も終わってみんな飲んだり食べたりしていた。


だけど私は、途中で帰るお客さまがいるかもしれないから、おみやげを渡すために受付へ戻った。


「彰太のウソつき、飲めないじゃんか」


独り言で愚痴っていたら、突然首筋に冷たいものがふれた。


「ひえっ・・・」


カエルが鳴いたようなヒドイ声が出てしまい、振り返ると彰太がグラスに入ったビールを持って立っていた。


「お疲れ、花音」


「なんだ、彰太かぁ・・・」


「それにしても、かわいくねー声だったな」


「すみませんね、かわいくない元カノで」


「まあ飲めよ、さすがにまだ帰る人はいないだろ」


カンパイ、とグラスを合わせ、一気に飲んだ。


「ありがとー、おいしい」


「相変わらず、いい飲みっぷりだな」


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