sweet voice
「俺が東京にいた時から荒井さんと面識あって、たまに飲んだりしてたんだよ。


で、荒井さんからわざわざ花音を紹介してほしいって頼まれたから、セッティングしたってわけ」


「川野さん、そこまでハッキリ言わなくても」


荒井さんは、少しうろたえてるように見える。


「もちろん、花音が元カノだってことも話したし、今はフリーってことも伝えたから。


ま、とりあえず乾杯しよーぜ」


彰太はビールを頼み、私は彰太に言われるままに荒井さんの右隣に座った。


体の左半分が、固まったみたいに動けない。


もちろん、荒井さんの顔を見ることすらできない。


黙ったままの私を気にすることなく、彰太と荒井さんは世間話を続けている。


荒井さんは、なんで私と会いたいって思ったんだろう。


変わった女の顔を見てみたいとか?


もしかして、態度がなってないとか説教されるとか?


いずれにしても、いい話があるとは思えない。


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