sweet voice
そのあとは、私が今日スマホを家に忘れてきて、茜に『またか!』って怒られたり、仕事の愚痴を言い合ったり、お互いにストレス発散してお開きになり、駅で茜と別れて家路についた。


「なんか、変なこと思い出しちゃったな・・・」


夜道でつぶやくアヤシイ女になりながら、アパートの部屋の前に立った。


「あれ?」


カギが見当たらない。


いつも、バッグの内ポケットに入れているのに。


バッグの中をひっかきまわすけど、出てこない。


ドアは閉まってるから、今朝きちんとカギをかけて出かけてるはず。


今朝からの行動を、順を追って思い出してみた。


会社に着くまで、カギにさわった記憶はない。


お昼休みに、キーホルダーの話になって・・・


「あっ!」


自分の声に驚くほど、大きな声が出てしまった。


私のキーホルダーはこんな感じ、って見せあっていた時に、いきなり部長に呼び出されて、ロッカーのバッグにあとで戻せばいいや、ってデスクの引き出しに入れたままだ・・・。


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