sweet voice
「藤原さんも北本さんも、今フリーですよね?


ご縁があるかもしれないじゃないですか」


彰太の向かいに座ってる営業部の後輩男子があおってきた。


「私たち、そんなに飢えてるように見える?」


「違うのか?」


「なんか、彰太の既婚者目線がイラッとするんだけど」


「俺は純粋に、元カノの幸せを祈ってるだけだっつーの」


「それはそれは、ご心配ありがとうございます」


「じゃ、花音は参加な」


「ちょっと、勝手に決めないでよ」


「詳しいことはまた連絡するから」


じゃお先、と彰太は私たちのテーブルの伝票まで持って席を立った。


そういう、さりげなくかっこいいトコが、好きだったな。


たぶん、罪滅ぼしのつもりなんだろうけど。


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