sweet voice
「伸二くんは、本当は何が好きなの?」


「僕は、女の子が飲むようなカクテルが好きなんです」


「じゃあ、そのビール私が飲むから、何かオーダーしなよ」


「ありがとうございます」


伸二くんが頼んだスプモーニが運ばれ、あらためて乾杯した。


しばらくは、お互いの近況報告をしていたけれど、1時間くらいたった頃、伸二くんは真面目な顔して私を見た。


「花音さん」


「うん?」


「僕のこと、友達とか弟みたいに思ってる?」


「うん、今のところはそうかな」


「これからは、男として見てほしい」


「えっ?」


その瞬間、伸二くんは私にキスしてきた。


あまりにも突然で、事故みたいで、私は目も開きっぱなしだった。


「僕、本気で花音さんが好きです。


物怖じしないで、僕に本音をぶつけてくれた人は、花音さんが初めてだから」


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