sweet voice
それって、単に私が年上で、ズバズバ言っちゃうタイプってだけじゃないか。


伸二くんは、そんな私に甘えたいんだろうな。


そんなつきあいも、アリなのかもしれないけど。


少なくとも私は、そういうのは求めていない。


「好きって言ってくれて、ありがとう。


でも、私は年上ってことをいいことに言いたいこと言ってるだけだから。


伸二くんのことを、まだ男性として意識してないんだ」


「でも、僕は・・・」


伸二くんの言葉をさえぎって、


「年下にも好かれるなんて、幅広いんだな」


聞き覚えがありすぎる声が、上からふってきた。


「荒井さん、どうしてここに・・・」


「俺は会社の同期とさっき来たとこ。


ここでキスするなんて、年下くん度胸あるよな。


おまえも、そういうとこ考えてやれよ」


そう言い放つと、奥の個室へ向かっていった。


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