sweet voice
ドライブの途中は、洋楽が流れる中、仕事のことや学生時代のことを話した。


大学の付属高校にいたから、遊んでばっかりいたこと。


大学に行ってから、単位のためにボランティアを始めたけど、意外と自分に合っていて、今でもたまにサークルを手伝っていること。


大学の同級生の茜と同じ会社に就職して、最初は失敗ばかりしていたこと。


入社8年目の今は、仕事にやりがいを感じているし、現状にも満足していること。


荒井さんは聞き上手なのか、適度に相づちをうっては私に話させていた。


「荒井さんの話も聞かせてください」


「俺の過去はヘビーだぞ、聞くか?」


「えっ?」


「俺は両親がいないから施設で育った。


大学は奨学金を借りて進学した。


頑張って、今の会社に就職した。


また頑張って、課長になった。


以上」


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