sweet voice
「ええっ?」


思わず、大声が出てしまった。


『やっぱ、ダメ?』


「いや、えっと、掃除したばっかりだからキレイなんだけど、ビールしかないから」


『じゃあ、僕が何か買っていこうか?


いま東京駅の近くだから、適当にデリでも買っていくよ』


「えっ、でも、狭いし、何もないけど・・・」


自分でもおかしいくらい、必死に止めようとしていた。


『いいよ、花音さんがいれば』


そんな、甘い言葉をかけられたら、それもいいかなって思っちゃうじゃん。


「じゃあ、お言葉に甘えようかな・・・」


『わかった、少し待ってて。


デリ買う時にまた電話するから』


・・・どうしよう。


ほろ酔いの頭で、これからのことを想像した。


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