sweet voice
伸二くんが、この部屋に来るってことは。


今日は土曜日だし、泊まるかもしれない。


伸二くんが泊まるってことは。


・・・最後までしちゃうかもしれない。


あわててベッドをキレイに整えて、昔の男が置いていったTシャツや短パンを準備しようとして、いやいや伸二くんは昔の男の残骸を気にするかもと思い直し、またクローゼットの奥にしまい、ビールを冷蔵庫に追加し、チューハイがないから伸二くんに好きなのを買ってくるように連絡した。


デリでサラダや唐揚げを適当に買ってきてもらうことにしたから、二人分の食器をテーブルに並べた。


お皿を並べながら、二人分を用意するのは彰太とつきあっていた時以来ってことに気づき、ちょっとせつなくなった。


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