sweet voice
優柔不断な自分に酔ってる?
仕事もプライベートも順調だと、少し怖くなる。


このあと、ものすごくつらい出来事が待ってるんじゃないかとか。


茜いわく、贅沢な悩みらしいけど。


伸二くんとは、ケンカもせず、週末はだいたい一緒に過ごすようになっていた。


荒井さんの電話をたまたま受けると、一気に緊張した。


荒井さんの声は、まるで魔法みたいに私の心臓をつかんでしまうから。


電車で偶然会った日から、もうすぐ1ヶ月ぐらいたつ。


荒井さんの電話の声は、前と変わらないけど。


気のせいか、どこかよそよそしい感じになった。


そんな11月のある日、会社でお昼休みに電話を受けたら、彰太からだった。


『よお花音、久しぶりだな』


『よく私だってわかったね』


『そりゃわかるだろ』


『で、誰に代わればいい?』


『花音に用があるんだよ』


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