涙を流した次の日は
人間は常にわがままだ。

どうしようもないことに駄々をこねる。

『…強く…生きるのよ。』

人間は常に自分勝手だ。

この世界から消えていなくなるくせに残る者達に希望を抱く。

身勝手でわがままでうるさかったのに。

僕がずっと大切に大切にしてきた大事なものはいとも簡単にこの世から消えた。

僕達人間は…そういう生き物だ。

なら僕は…希望なんていらない。

絶望の中で生きていればいい。

そうすればきっと、あの日みたいに…苦しくて悲しくて虚しくて寂しい日なんてきっとこないはずだから。

僕はこの…無着色の世界で生きる。
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