優等生と副番長
「どうしたの?立山君」
桜井君に声をかけられ、僕は我に帰った。
「あ…いや、何でもない。」
と僕はさっきのことを頭から振り払う様にして答えた。
「そっか。よかった。」
何故か安心したような目で桜井君は答えた。
チャイムがなり、6時限目の始まりを告げた。
それと同時に、先生が入って来た。
「えー、先程のことだからもう皆知ってると思うが―この学園の高等部―隣の普通クラスだな。その城田恵が、廊下のガラスを割った為に、2週間の謹慎処分になった。お前たち、こんなことがあったからと言って真似するんじゃないぞ。謹慎処分なんて、前代未聞だからな。」
さっきのことに関する報告と注意を受けたが、この特進クラスだったら真似をする人はいないと信じた。
どうせ、皆のことだ、真似する馬鹿じゃないと思っているのだろう。