優等生と副番長
「…え?」
僕はわざとらしく聞き返した。
それは何となく罪悪感を感じて。
「お前、2週間前に…。アタシを見てただろ。」
言葉使いは悪いけど、怒っている声のトーンではなかった気がする。
「あ…はい。たまたま目に入って…」
少し照れくさそうに言ってみて、自分で照れてしまった。
「…お前特進クラスだろ。いつもトップの、立山明。」
僕は驚いた。
城田さんが僕のことを知っていた。
僕は目を丸くしていると、城田さんは続けた。
「さっすが、特進クラスの奴は凄いねえ。頭固そうだけど。」
僕は一言多いのではないかと思ったが、それは気にしなかった。
「そうですか…?」
と答えると城田さんはフッと鼻で笑った。
「さあ。でも、その勉強は、やりたくてやってる訳?¨お母さんが…¨みたいな理由は?」