優等生と副番長

やりたくてやっている…訳ではない気がする。
ただ…ここまでやって来れたのは、お母さん達のおかげだから…。

今ここで勉強をやめたら、お母さん達を裏切る気がして。
ただ僕はひたすら、シャーペンを持っていた。

僕はお母さん達を裏切ってはいけないんだ…。

僕は勉強で恩返ししなければいけないんだ…。

そんな思いがこみあげて来ていた…。

「お母さんへ…の…恩返しは勉強かな…と思って…」
と途切れ途切れになってしまった。
城田さんは真顔だった。

「…結局、¨お母さんのため¨なんだろ?お前、それでいいのかよ。それでお前は楽しい人生送ってんのかよ。お前はそれで楽しいのかよ。」

真顔で言われ、何か今までの人生は、楽しかったのか楽しくなかったのか、わからなくなった。

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