優等生と副番長
「お前はお前のままに生きていけばいいの。いくら母親だろうと、お前が母親の為に時間を費やす必要はない。あたしがお手本。」
少し間を置いて、城田さんが続けた。
そうだ、僕はこれまでの人生、何をしていた?
勉強だけ?
僕は幼稚園の時、完全に孤立していた。
いじめられて―
いやだ。
思い出したくない。
「あの…、僕は…。幼稚園で孤立していたんです。」
廊下で城田さんは白い壁にもたれかかっていた。
「ふうん。で?」
軽く流している様だっだが、興味を示しているのは確かだった。
「いじめられていました。ここに入学したのも、それがきっかけで。」
僕はいじめられていた事を思い出していた。
少し辛かったのが、顔に出ていただろう。