優等生と副番長
「そう…。あたしは違って、推選だった。寄付金が目当てだったんだろうな。」城田さんもここに入学したきっかけを話してくれた。
僕は人も人なりにあるんだろうと思った。
「…で?続きは?」
城田さんはそう催促した。
「始めから僕は、いじめられる運命だったんだ―」
僕はもう思い出したくない。
あの過去なんか。
「ちょっと待て。それはおかしいだろ。」
城田さんは少し考えてから、そう言った。
「¨運命¨ってのは決まってないんだよ。自分で作っていくのが¨運命¨。」
城田さんは続けた。
「…はい。」
僕はそうか、と思った。
「じゃあ、あたし行く。あたしの事、恵でいいから。」