優等生と副番長

塾も何もかも、全て終わらせた僕は、いつもの通りドキドキしながら帰っている。

そして、大きめの3階だての建物が見えてくる。
簡単に言えば、家。

僕はもう、母が嫌いなのに。
どうしても顔をあわせ、会話をして、向かい合って食事をしなければいけないのか。

はっきり言って、家にも塾にも学校にも僕の居場所はない。

僕の唯一の居場所は―


恵さんと話すときの
廊下の半径1mだけだ。


僕の居場所はないんだ。
家でも、僕の緊張が和らぐことはない。

僕は常に、緊張してなければいけないのだろうか…。
恵さんに会いたいな…。


< 27 / 39 >

この作品をシェア

pagetop