優等生と副番長
塾も何もかも、全て終わらせた僕は、いつもの通りドキドキしながら帰っている。
そして、大きめの3階だての建物が見えてくる。
簡単に言えば、家。
僕はもう、母が嫌いなのに。
どうしても顔をあわせ、会話をして、向かい合って食事をしなければいけないのか。
はっきり言って、家にも塾にも学校にも僕の居場所はない。
僕の唯一の居場所は―
恵さんと話すときの
廊下の半径1mだけだ。
僕の居場所はないんだ。
家でも、僕の緊張が和らぐことはない。
僕は常に、緊張してなければいけないのだろうか…。
恵さんに会いたいな…。