優等生と副番長

―次の日になって、母の怒鳴り声を背に、学校へ向かった。

なぜ怒鳴ったかなんて、わかるよね。
塾のテストの順位が、1位じゃなかったこと。



僕はわざと、間違えたんだ。

勉強がしたくなかったから。

もちろん、勉強が嫌いな訳じゃない。
…苦痛だけど。
やらなきゃいけないんだ。

恵さんはきっと…。


前向きなんだろうな。
だからこそ、あんな強くて、折れそうになくて。
どこからの攻撃も綺麗にかわす…。

そんな人なんだろうな…。
それに比べて僕は…。

弱くてすぐに折れて。
攻撃もかわし切れない…。
いつも後ろ向いてて。
下向いてて。


咲けないひまわりみたいに…。


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