優等生と副番長
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教室に戻ると、皆が勉強をしていた。
エリート校でも僕のクラスは特進クラスで、ライバル心の強い人ばかりだ。
僕もその中の一人になるのだけど。
僕はノートを広げて、黒板の文字を写す。
教室にカリカリという音に響く中、僕のシャーペンは止まりがちだった。
何故か、さっきの女の人が頭に離れなかった。
彼女はきっと、何の試験のない、幼稚舎からの入園だろう。
きっと、何処かのご令嬢とか…
止まりがちだった僕のシャーペンは更に止まっていた。
文字を写すだけだったが、それなりに時間がかかった。
それも不思議な程に。
調べるとまでには行かないと思うが、名前位は知りたいと思った。
こんなことは初めてだった。
特進クラスの僕達は、進級するごとに人数が減っているし、特に会話もなければ挨拶もしない。
それなのに、名前を知りたいなど、何かヘンだなあ…