優等生と副番長
「乗れよ。まだ学校まで結構あるし。」
と、予想外の恵さんからのお誘い。
「いいの…?」
僕の声は、女の子みたいにか細くなった。
元々、僕は遠慮がちな性格なのだけれど。
「いいに決まってんだろ?早く乗れって。」
恵さんがせかしたので、僕は恵さんの反対側のドアを開けた。
車内を見て驚いた。
車内は、白で統一されていて、後部座席の前にテーブルがあった。
そこには、まだ湯気が出ている飲みかけの紅茶があった。
僕は遠慮がちに、恵さんと間を開けて座った。
すぐに、ドアを閉めた。
すると、車が発車した。