優等生と副番長
「おい、あたしとおんなじお茶、入れてあげて。」
恵さんは、少したってから助手席にいる人に言った。
「かしこまりました。」
すると、助手席の男は返事をして、新しいティーカップを出した。
そして、湯気が出ている同じ色をした紅茶が注がれた。
僕はそれに口を付けた。
その味は、今まで飲んだことのない味で、すごくおいしかった。
そして、どこかでかいだことのある、花の匂いがした。
「…これ、何の紅茶?」
気になった僕は、恵さんに聞いてみた。
「キンモクセイのフレーバーティーだよ。いい匂いだろ?お気に入りなんだ。」
…そうか、キンモクセイだったのか…。