優等生と副番長
モヤモヤとした気持ちの中、僕は学校へ向かっていた。
昨日から、お母さんとは言葉を交していない。
どうやら、朝食の時間をお母さんはずらしたらしい。
「はぁー…」
誰もいないのに、僕は独り言を言っていた。
「よぉ。」
その声で、僕は振り返った。
後ろにいたのは、恵さんだった。
「なんか元気ないじゃん。どうしたの?」
恵さんにそう言われると、不安が解けてく。
僕は、昨日の事全てを、恵さんに話した。
「そぅかー。」
全てを聞いた恵さんは、何かを考えながらそう言った。
「でも、お前にとっちゃ、そのお母さんはお母さんだろ?」
恵さんは真剣な顔付きで、言った。
その空気で、僕も真剣な顔付きになる。
「はい。」
何のためらいなく、僕はそう言った。
すると、恵さんはニヤッと笑って
「なら、お母さんにそう伝えればいいじゃん。」
恵さん…
笑顔でそう答えてくれる貴方がすごく頼もしいです。
「はい!」
そう言って、僕はまた、決意を固めた。