優等生と副番長
家に帰ると、お母さんが待っていた。
僕は気まずく、目を反らすと、お母さんは、僕を抱き締めた。
「昨日はごめんなさい…。本当は、貴方の事、嫌って思ってない。ずっと愛してるの…。貴方は自分の選んだ道を迷わず進みなさい…。自分の好きな様に…」
お母さんは、涙を流しながらそう言った。
なんだか、僕も泣けてくる。
これが、もらい泣きというものだろうか…。
僕は一頻り泣き、お母さんから体を離して言った。
「お母さん、ありがとう…。僕は自分の道を進むよ。もう迷わない。想いを伝えてくる。」
お母さんは涙を流しながら、笑顔で静かに頷いた。
僕は立ち上がり、家を出て走り出した。
もう迷わない。
あの人に想いを伝えるんだ。