優等生と副番長
「恵さん!」
そう呼ばれ、振り向いた恵さんは、笑顔だった。
「どうした?目、腫れてるぞ。」
そう言った。
僕は、真剣な顔付きて言った。
「もう僕は迷わない。大切な人に想いを伝える。…恵さん、貴方が好きです。」
何のためらいのない、素直なこの気持ち。
どうしても伝えたかった。
「遅ぇよ。」
恵さんはそう言った。
「その言葉、ずっと待ってた。」
恵さんの答え。
僕は緊張の糸が解けて、涙を溢した。
もう、大切なものは失いたくないから―