優等生と副番長
いつもの素晴らしい料理を堪能し、母と僕は一息をついた。
すると田口さんが
「あのぅ…今日旦那様は遅いのでしょうか?」
と言い、僕は聞いていないので、母の方を見た。
母は少し考える仕草を見せた。
「そうだと思うけど、どうして?」
と少し微笑んだ。
「…いえ、旦那様の分も夕食を作ってしまったので…」
と田口さんは答えた。
「それなら、もう少し様子を見て、帰らない様だったら、田口さんが食べたらいかがかしら。」
今度は、満円の笑みを浮かべ母は言った。
「そうですね。もう少し様子を見て、旦那様がおかえりにならない様でしたら、私が頂きます。」
このやりとりを最後に、食卓は静かになった。
僕はそのやりとりを聞いてから、すぐに立ち上がった。
「どうしたの?まだデザートはまだよ?」
と母は少し驚いた様子で問いかけた。
「まだ問題集の問題が残ってますので…」
僕はそう答えた。
「そう、だったら仕方ないわね。」
このやりとりを最後に、食卓はまた静かになった。
そして僕は、階段へ向かった。