晴れのち曇り ときどき溺愛
 私がメニューの中から選んだのはイチゴのデザートプレートだった。斉藤さんはケーキだけではなく、アイスやワッフルとかまで乗ったボリュームたっぷり。

 でも、イチゴのデザートプレートは小さめのケーキの横にイチゴを中心にフルーツが添えられている。斉藤さんが指差したものに比べたらケーキやアイスの数も大きさも違う。


「本当にそれでいいの?俺と一緒に『スペシャルデザートプレート』にしない?イチゴもフルーツもいっぱいだし、食べごたえもあると思うよ」


「ごめんなさい。多いです」

「そっか、じゃ、俺だけ『スペシャルデザートプレート』にしようかな」


 しばらくして部屋に届けられた『スペシャルデザートプレート』はかなり大きかったが、ニコニコ笑いながら、ご機嫌な斉藤さんのお腹の中に消えていき、私はイチゴのデザートプレートを堪能したのだった。


 食べないというから下坂さんと見城さんと井上さんのシャーベットも斉藤さんと一緒に分けて食べてしまい、ダイエットは明日からにしようと…自分に言い聞かせた。
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