晴れのち曇り ときどき溺愛
言葉が続かないというのはこういうことなのかもしれない。一度失った言葉はもう取り返しが出来ずに、私は挨拶を終わらせて進藤さんと一緒にホテルを出るしかなかった。待ち合わせがホテルだったので、お見合いもきっとこのホテルのどこかで食事をして終わりと思っていた。
進藤さんは何も話さず歩くだけ。私も彼の背中を見ながら歩く。そして彼の足が止まったのは、私の想像を超えた場所だった。こじんまりした小さな店で、店の前にはメニューが書いてある木の看板が置いてある。
みそらーめん…。
あんまりというか小汚いと言っていいラーメン屋だった。小さな店の入り口のガラスのドアには年季の入った暖簾が掛かっている。隙間から見える店内には仕事帰りのサラリーマンらしき人がいっぱいでカウンターテーブルの上には枡に入ったコップに日本酒が注がれていた。。
進藤さんは私を微笑んで見つめている。そして、視線を逸らし一瞬だけ鋭さを瞳の奥に光らせたような気がした。見逃してしまいそうな一瞬だった。
「ここでいいですか?」
「私は構いません」
「ラーメンは好きですか?」
「嫌いじゃないです。ただ、猫舌なんで食べるのに時間がかかります」
進藤さんは何も話さず歩くだけ。私も彼の背中を見ながら歩く。そして彼の足が止まったのは、私の想像を超えた場所だった。こじんまりした小さな店で、店の前にはメニューが書いてある木の看板が置いてある。
みそらーめん…。
あんまりというか小汚いと言っていいラーメン屋だった。小さな店の入り口のガラスのドアには年季の入った暖簾が掛かっている。隙間から見える店内には仕事帰りのサラリーマンらしき人がいっぱいでカウンターテーブルの上には枡に入ったコップに日本酒が注がれていた。。
進藤さんは私を微笑んで見つめている。そして、視線を逸らし一瞬だけ鋭さを瞳の奥に光らせたような気がした。見逃してしまいそうな一瞬だった。
「ここでいいですか?」
「私は構いません」
「ラーメンは好きですか?」
「嫌いじゃないです。ただ、猫舌なんで食べるのに時間がかかります」