晴れのち曇り ときどき溺愛
もしも下坂さんが拳の立場なら絶対にこの仕事は請けるだろう。自分のしたい仕事をするのも大事だけど、今の自分の置かれた立場で最上のことをことを選ぶのは上役として責任。でも、気持ちは簡単に割り切れないのも分かる。
「拳の思うとおりに仕事をしたい気持ちもわかる。でも、拳の実力ならきっとただの外注で終わらせないと思う」
「琉生と梨佳は似てる。さっき、琉生からも同じこと言われた」
「頑張ってみるかな」
拳はそう言って少しだけ表情を緩めながら、グラスに口をつける。その横顔は何か考えているようで、私と琉生は拳の答えを待つしか今は出来ない。でも、すぐに答えが出る内容でもないのは私達三人ともがわかっていることだった。
「で、なんで今日は琉生と梨佳は飲む予定だった?さっき、琉生から聞いたけど今日は梨佳の歓迎会だったんだろ。そんな後に会う必要ないだろ。週末ならともかくまだ火曜日なのに」
「単に梨佳と飲みたかっただけ。ずっと一緒に並んで仕事をしてきたのに、急に離れたから気になるだろ。それもシステム課は仕事が特殊だと聞いている。心配したら悪いか」
「過保護だな」
拳は大人だった。そして、私はまだ自分の気持ちを上手く言葉に出来ないほどの未熟な子供だった。
「拳の思うとおりに仕事をしたい気持ちもわかる。でも、拳の実力ならきっとただの外注で終わらせないと思う」
「琉生と梨佳は似てる。さっき、琉生からも同じこと言われた」
「頑張ってみるかな」
拳はそう言って少しだけ表情を緩めながら、グラスに口をつける。その横顔は何か考えているようで、私と琉生は拳の答えを待つしか今は出来ない。でも、すぐに答えが出る内容でもないのは私達三人ともがわかっていることだった。
「で、なんで今日は琉生と梨佳は飲む予定だった?さっき、琉生から聞いたけど今日は梨佳の歓迎会だったんだろ。そんな後に会う必要ないだろ。週末ならともかくまだ火曜日なのに」
「単に梨佳と飲みたかっただけ。ずっと一緒に並んで仕事をしてきたのに、急に離れたから気になるだろ。それもシステム課は仕事が特殊だと聞いている。心配したら悪いか」
「過保護だな」
拳は大人だった。そして、私はまだ自分の気持ちを上手く言葉に出来ないほどの未熟な子供だった。