晴れのち曇り ときどき溺愛
「そうなんですね」
「もし新人を受け入れることになったら、諸住さんは井上さんから強制的に卒業になるな」
「え?」
私は頼まれた仕事をしながら、システムのことを井上さんから習っている。パソコンはただメールのやり取りと資料の取り出しくらいしか使ってなかったけど色々と覚えるととても便利だった。システム開発のレベルまで使いこなせるようになるのは時間が掛かるけど、井上さんは覚えの悪い私に呆れることもなく丁寧に教えてくれていた。
そのお蔭で少しだけ自分にも自信がついてきていた。まだまだ色々と教えて貰いたいと思っているけど新しい人が入ってきたら、井上さんはその人の指導をするだろう。卒業するレベルではない。
「卒業出来ないです。教えて欲しいところはいくらでもあるし」
「決まったわけでもないし、そういう場合もあるということだけは頭の片隅においていて欲しい。それに、分からないことがあればいくらでも教えるから」
「でも、不安です」
「決まっているわけではないから」
「はい」
自分の席に戻ると、今度は見城さんが視線はパソコンから離すことなく私に話し掛けてきたのだった。
「書類はどこまで出来ている?」
「もし新人を受け入れることになったら、諸住さんは井上さんから強制的に卒業になるな」
「え?」
私は頼まれた仕事をしながら、システムのことを井上さんから習っている。パソコンはただメールのやり取りと資料の取り出しくらいしか使ってなかったけど色々と覚えるととても便利だった。システム開発のレベルまで使いこなせるようになるのは時間が掛かるけど、井上さんは覚えの悪い私に呆れることもなく丁寧に教えてくれていた。
そのお蔭で少しだけ自分にも自信がついてきていた。まだまだ色々と教えて貰いたいと思っているけど新しい人が入ってきたら、井上さんはその人の指導をするだろう。卒業するレベルではない。
「卒業出来ないです。教えて欲しいところはいくらでもあるし」
「決まったわけでもないし、そういう場合もあるということだけは頭の片隅においていて欲しい。それに、分からないことがあればいくらでも教えるから」
「でも、不安です」
「決まっているわけではないから」
「はい」
自分の席に戻ると、今度は見城さんが視線はパソコンから離すことなく私に話し掛けてきたのだった。
「書類はどこまで出来ている?」