晴れのち曇り ときどき溺愛
私は視線を上げると、そこには下坂さんの視線があって、私を見て小さく一度だけ頷く。席が離れてもまだ気にはしてくれていたのが嬉しかった。
私がシステムの手直しをしていると、井上さんと斉藤さんは資料を探すと言って、資料室に行き、見城さんは客先に出掛けて行った。そして、営業室に残ったのは下坂さんと進藤さんと私の三人で、時間はちょうど十二時を指していた。
「室長。父が久しぶりにこちらの方に来ています。出来れば、はるく…下坂室長も一緒にランチはいかがですか?」
パソコンの電源を落として、昼休みを取ろうと思っていた私は進藤さんの声でマウスを動かす指が止まってしまった。婚約者で幼馴染なら、その親とも懇意のはず。断る理由はないだろう。
「仕事が立て込んでいるどうしても早めに上げたい案件があるんだ。進藤社長にはよろしく言っておいて貰える?」
「わかりました。父に伝えておきます。では、お先にお休みをいただきます。諸住さん。お先にいただきます」
「は、はい」
進藤さんは下坂さんと私に軽く頭を下げてから営業室からアッサリと出て行った。その後ろ姿を見ていたのは私だけで、下坂さんはすぐに自分の机の上に広げられている資料を見ていた。私も昼休みに行こうと思って席を立つと、下坂さんは私の方を見つめた。
私がシステムの手直しをしていると、井上さんと斉藤さんは資料を探すと言って、資料室に行き、見城さんは客先に出掛けて行った。そして、営業室に残ったのは下坂さんと進藤さんと私の三人で、時間はちょうど十二時を指していた。
「室長。父が久しぶりにこちらの方に来ています。出来れば、はるく…下坂室長も一緒にランチはいかがですか?」
パソコンの電源を落として、昼休みを取ろうと思っていた私は進藤さんの声でマウスを動かす指が止まってしまった。婚約者で幼馴染なら、その親とも懇意のはず。断る理由はないだろう。
「仕事が立て込んでいるどうしても早めに上げたい案件があるんだ。進藤社長にはよろしく言っておいて貰える?」
「わかりました。父に伝えておきます。では、お先にお休みをいただきます。諸住さん。お先にいただきます」
「は、はい」
進藤さんは下坂さんと私に軽く頭を下げてから営業室からアッサリと出て行った。その後ろ姿を見ていたのは私だけで、下坂さんはすぐに自分の机の上に広げられている資料を見ていた。私も昼休みに行こうと思って席を立つと、下坂さんは私の方を見つめた。