晴れのち曇り ときどき溺愛
「諸住さんは昼はどこに行くの?」


 正直、どこに行くのか決めてなかった。


 さっきの見城さんの指摘もあるから、何か簡単なもので済ませるつもりだった。コンビニで何か買うか、カフェに行くか?選択肢はそれくらい。営業室で食べるのは下坂さんの仕事の迷惑になるから、コンビニで何か買った時は近くの公園で日向ぼっこしながらでもいいかもと思うけど、実際は何も決まってない。


「まだ、決めてません。何か急ぎの仕事がありますか?」

「いや、もしも外に食べに行くなら、帰りにコーヒーを買ってきて欲しいと思っただけ」

「それは構いませんが、室長は食事に行かれないのですか?」

「本当に仕事が立て込んでいる。でも、コーヒーくらいは飲みたい。我が儘だけど缶コーヒーは味気ないからきちんとしたのが飲みたかった。諸住さんが食事してからでいいから買ってきて欲しい」

「サンドイッチとかはいらないですか?もしよかったら買ってきますよ」

「あーどうしようか。うーん。……。諸住さんはカフェに行くの?」


 下坂さんにコーヒーを頼まれた時点でコンビニという選択肢は無くなっていた。今ではコンビニでもコーヒーは販売しているけど、それよりもカフェの方が本格的なコーヒーも楽しめる。


「はい。カフェに行くつもりです。そこで下坂さんのコーヒーも買ってきますね」

「迷惑でなかったら俺も一緒に行っていい?食べ物の話をしていたらお腹が空いてきた」




 
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