晴れのち曇り ときどき溺愛
『ちょっと社食の横の休憩室に来れる?ちょっと相談があるんだけど』


 私が必死にパソコンに向かっている途中で携帯が震え、画面には琉生の名前があった。応接室に気を取られてしまうばかりで気分転換に休憩室に行くことにした。


『分かった。10分くらいで行く』

 社食の横の休憩室に行くと、窓際の席に琉生は居て、自分のものと思われる缶コーヒーと私の物と思われるミルクティが置かれてある。

 ずっと一緒に仕事をしてきたからか、同期だからか分からないけど琉生の顔を見るとホッとする。仕事中に会うのは久しぶりだった。


「久しぶり。元気にしていたか?」

「仕事は忙しいけど元気よ。それにしても急にどうしたの?いきなり琉生に呼び出されるなんて何があったかと思う」

「まあ、座ってからでもいいだろ。込み入った話じゃないし」


 私が琉生の前に座るとテーブルの上のミルクティをすっと私の前に滑らせた。そして、私がぺこっと頭を下げるとニッコリと笑う。


「いただきます」

「どーぞ」

「で、何の話し?」

「拳の事だよ。結婚するらしい」


 付き合っているというのは聞いていたけど、まさかこんなに急に結婚の話になるとは思わなかった。
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