晴れのち曇り ときどき溺愛
 席に戻ると机の上にファイルがあり、ファイルにはプロジェクト名が書いてあった。新規のプロジェクトの物で本当に自分が参加するのだと思った。私にとってはシステム課に配属されての初めての担当だった。


『諸住さん用です。明後日までに読んでおいてください』

 見城さんのメモに背中が伸びるような気がして頑張ろうと思った。

 要項を見ながらどのような形でシステムを組むのか、デザインをどうするかを考えた。要項と共に添えられたのは要望書。クライアントとの交渉記録がコピーされてあった。下坂さんと見城さんが中心にこのプロジェクトは進むだろうけど少しくらいは手伝いたいと思う。


 知識も足りないし、システム課での開発もまだ出来るとはいえない。


 私が一番仕事が出来ないのは分かっているけど、今までずっと仕事を頑張ってきたというプライドはある。変なプライドはいらない。でも、頑張ってきたというプライドは捨てたくない。


「梨佳さーん。ちょっといいですか?」


 進藤さんは私の席の横にくるとニッコリと笑った。そして、自分のスケジュール帳を開きながら私に話し掛けた来た。


「なに?」

「先ほど、室長から一週間後のパーティについて頼まれました。時間を取って貰えますか?」
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